夜桜見物

風流とは無縁の生活を送っている。

花より団子派だが、団子にもあまり興味がない。
人気のお店で列の最後に並ぶ、なんてことは絶対に嫌だ。
人気のお店を避けて通るほうだ。

東京タワーも避けて通るうちに、
スカイツリーなるものができてしまい、
避けて通るものがまた一つ増えてしまった。

何の話だっけ？

そういえば、お花などに興味を持ち始めたのも、
ローカ、老人力が付き始めてからだ。
葉桜時代に突入してからで、
今回、初めて近所の夜桜見物をした。

夜桜を見に行って驚いた。
若い人や、若い親子連れが多い。
皆、老人力とは無関係に桜を愛でている。

桜に関しては、日本人力というべきかもしれない。
そう、私はこれまで日本人力が弱かったような気がする。

俳句、短歌、全然ダメ。
お花見、お月見、七夕、もうほとんどどうでもいい
という感じで生きてきた。

日本人力、微力。
老化で、やっと一般並みになってきたかな。

しかし、富士山を見てきれいだとは思うが、
ありがたいとは思わない。
このあたり、老人力にむらがある。

ああ、せっかく美しくも怪しげな、
空恐ろしいまでの夜桜を見てきたのに、
風情のない文章を書いているわたしは、なんなのだ！

夜の景色を、コンパクトカメラで撮ったことがないので、
かろうじて写っていたのは、冒頭の１枚だけ。

桜のオーラ、凄まじかった。
桜の４月、日本人に生まれて幸せ。

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