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ミステリーのミステリー [謎]

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ミステリーを読みふけったあげく
時々危ない人間になってしまうわたしだが、
よ~く考えてみえば、
読者を危ない人間にしてしまう
ミステリー作家のほうが
もとずっと危ないんじゃないか
と、思う。


次から次へと作品を世に送り出すために
ミステリー作家は四六時中
殺人のことばかり考えているはずだ。


なるべく前回の作品とはだぶらないように、
それとは違った状況
違った動機
違った手段で
殺人が起こらなければならない。


凶器はなににするか、
素手?
ナイフや出刃包丁?
それとも拳銃?
お手製の爆弾?
毒ガス?


危ない、危ない。


しかも、何十年も殺人ばかり考えて
殺人のことばかり書いてきて
頭の中がおかしくならないの?


アガサ・クリスティーなんか
自分が死ぬまでに
いったい何人を本の中で殺しているんだろう。


わたしの場合、
殺人を書くというだけで、すくみ上ってしまう。
人間以前に、
ゴキブリを殺すのだって、
うわあ、もうダメ!
誰か~
なのだから、
とても人殺しなんか、
たんなる架空の絵空事、
空想の産物を描写するだけだ
とわかっていても、できない。


ところが、読む側にたつと、
俄然、危ないひとになってしまう。


ミステリーを詠んでいて
殺人がなかなか起こらないと
イライラしてくる。


先日、ある本を読んだら
上下2冊の上巻の半分近く、
おびただしい登場人物の紹介ばかりで
いっこうに事件らしき事件も起こらず
殺人も起らない。


図書館から借りた本だが
床に叩き付けたくなった。


題名を教えたいが
ネタばれになるので、
教えるわけにはいかない。


読んでない本の犯人を
教えられたら、
わたしは、教えた相手を一生憎んで許さないから。


だが、その本は。半分ホラーもので
豪華客船が舞台。
多数の乗客や乗組員が登場するので
仕方がない。
その変わり、ものすごい数の人間が殺される。


ものすごい数の人間が殺されるといえば、
上記の本には劣るけど
最近読んだ
ピーター・スワンソン作
「8つの完璧な殺人」創元推理文庫
(2023年9月8日再版)
まさかと思うほど人が殺される。


そして偶然にそのあと読んだ
ジェフリー・ディーヴァーの
「ロードサイド・クロス」文藝春秋
【2010年10月30日第一刷)
も、かなりの人間が殺される。


この2冊、舞台背景はまったく異なるものの
殺人にいたるというか、もろもろの展開というか
ある種似た部分があって驚いた。


2冊続けて読んだら
殺人の多さに胃もたれして
さすがに殺人はしばらく遠ざかっておこうかな
と思った。







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