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屋根の上のバイオリン弾き [恋愛・結婚]

結婚で思い浮かぶのは、屋根の上のバイオリン弾き。
これは、まさに結婚がメインテーマといっていいような、
ミュージカルだった。
映画も観たが、舞台作品のほうが優れている。
舞台の閉じられた空間でこそ、
広がりを持ったが、
映画だと、大きな画面のなかで、
ちょっとまのびした印象がしてくる。


5人も娘ばかりがいる,
ロシアで牛乳屋を営むユダヤ人一家。
次第に、激しくなっていくユダヤ人迫害のなかで、
年頃になった娘が次々と結婚していく。



それが、どれもこれも父親の願いを裏切った結婚
をするのだ。
長女は、親が決めてきた金持ちの年寄りとの結婚を、
ことわって、幼いころからつきあってきた、
貧乏な仕立人と結婚する。


次女は、革命に身を投じて、投獄された男を追って、
つらい人生になると知りつつ、
シベリアへと行ってしまう。


3女はなんと、自分たちを迫害するロシア人と、
恋に落ちて、駆け落ちしてしまうのだ。


娘に裏切られるたびに、父親は怒り狂い、
抵抗し、許さないと頑張るのだが、
結局は、頭が上がらない妻にさとされて、
しぶしぶ、娘が選んだ道に進むのを許してしまう。


時代の流れが、貧しい一家を飲み込むさまが、
相も変らぬ人間の営みが、一生が、
物悲しく哀愁を帯びて、描かれる。
わたしは、森繁久弥が父親テヴィエを演じた
舞台を観ている。



娘がちいさいころ、わたしは、
将来、どこかの外国人なんかを連れてきて、
結婚するといわれたら、どうしようと、
真剣に考えたものだ。



外国人に抵抗はない、
人種差別はしないと口ではいっていても、
具体的に、娘が外人と結婚する、
と考えたら、何の抵抗もなく反対する、
となってしまった。



娘が、結婚したいといったとき、
すぐさま、賛成したのは、
相手が日本人だったから、ほっとして、
みたいなところがあったかもしれない。
言葉が通じないというのは、
つらいからねえ。



母親は、わたしが結婚すると、
やたらと嫉妬した。
わたしたちの若いころは、男の人は、
そんなふうでなかったというのだ。
女の人と対等に口をきいたり、
まともな話をしなかったというのだ。
その時代は、みんなそうだったのだから、
時代の違う相手、しかも娘に嫉妬するのは、
いったい、どういうことなのかわからない。



父と母が年中、口汚く喧嘩していて、
わたしは、それがいやだったと話したら、
あら、わたしたち、そんな夫婦喧嘩なんか、
してなかったわよ、
と、けろりとした顔でいった。



あんたらがいるから離婚できない。
子どものために、離婚しないできた。
などと、中学生のころから何度も口にして、
子どもに、恩をきせたのは誰だ!
と、もう少しで怒鳴るところだった。



娘は高校生のころ、
あんなお父さんと離婚して、
もっと、いい男と再婚する(もちろん、冗談)というと、
賛成! 
わたし、短足でない、かっこいいお父さんが、
欲しいなどと、受けて大笑いしたあと、
でも、たぶん、別れられないと思う、といった。



何で、と聞くと、その後の話が具体的だった。
別居したとするでしょ、
すると、ある日、お父さんがお母さんのところに来るのよ。
いやあ、近くに来たんで、ちょっと寄ってみた、
とか、なんとかいって、百円ケーキなんか持ってくる。
それから、ちょいちょい来るのよ。
そのうち、酔っ払ってやってきて、
泊まるって、寝込んじゃうの。
あとは、いつのまにか、洗面所に、歯ブラシとか、
電気カミソリとか、置いておくようになって、
ついには、お母さんのところに居ついちゃうのよ。
だから、離婚なんて無理ですね。



高校生くらいの娘って、
いったい何を考えているんだろう。
で、彼女はどっちの味方なんだろうと、
考えたけど、どっちの味方だったの?


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linda

そういうお父さんを許してしまうお母さんの味方・・・
というより、自分たちの家庭の味方でしょう!^^v
by linda (2007-06-19 10:21) 

娘さんは スーさんご夫妻より上を読んでいたんですね~
絶対別れない事を!ね。^^
高校生時代までは、感性がキンキン研ぎ澄まされてますから。
by (2007-06-20 15:25) 

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