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愛について書かれた泣ける小説 [読書]

6月はジューンブライトだから、
結婚で思い浮かんだ本について書こうと思ったが、
それは、短編で、題名はたぶん覚えている通りだと、
思うのだが、作者とその短編が収められた本の題名が、
いまだにわからない。

海外の作家だから、余計に調べようがない。
女にもてない男が、女っけのない職場で
たった一人で、何年も孤独に働いていて、
ある日、奇跡のように現れた一人の女性に、
いきなりプロポーズして、受け入れられるという、
おとぎ話のような、ありえない話で泣かせる。



結婚というと、その短編小説のその場面が、
まるで映画の一場面のように浮かんでくるほど、
感動的だったのだが、
ああ、人生がこんなに簡単で、すっきりしていたら、
どんなに幸せなことだろう、と思う感動なのだが、
作者も、本の題名も分からないのでは、
どうしようもない。


これだけ、印象に強い本だから、
いまだに自宅にしまってあるはずだが、
4~5冊、これと思って開いてみたが、
全然、違っていた。
30代のはじめに読んだ本だから、
大昔の話なのだ。
だから、今でも感動するかどうか、
自分でも試したくて仕方がないのだが。


新聞や雑誌、週刊誌などで、わたしが薦める一冊、
なんて企画をよくやる。
そういうとき、現在は絶版になって、入手が困難である
などと、但し書きが書いている本があると、
紹介した記事で、格別読みたいとも思ってなかったのに、
ひどいときは、興味のない分野の本であったりしても、
絶版、
入手困難、
この二つの言葉に心かき乱されて、
何が何でも読みたくなって、探し回る、
という体験をしばしばする。


手に入らないと、その本を読まなかったことが、
人生におけるものすごい損失になっている、
ような気がしてくる。
しかし、手に入れた場合、何これ・・・・・・・・・。
という場合も、かなり多い。
紹介者と自分の感性が違っている場合は、
ほとんどが、そうなる。



だから、自分が感動した本を紹介しても、
仕様がないと思うし、
あらすじを事細かに紹介して、
それだけで、読んだ気になられても嫌だ。
しかし、労を惜しむ人が多いから、
そういう紹介の仕方が受けているようだ。
それでは、本のためにならない。
本好き人間としては、本を読んでもらいたいのだ。



冒頭の本は見つからないが、
似たような味わいのある本を紹介したい。
わたしが持っているのは、昭和58(1983)年17刷のもの。



新潮文庫 加島祥造訳
『マラマッド短編集』である。
表紙は、作者(あまり魅力的でない中年男)の顔のアップ。
これでは、若い人は、引くだろうな。
面白くなさそう。
内容、難そう、と思うに違いない。
わたしの持っている本は、黄ばんでいて、
開くと、小さい活字が、ページいっぱいに印刷してあって、
これまた、感じが悪い。
これでは、若い人は、絶対に手に取らないだろう。



いまでも、この版のまま売られているのか、
それとも、もう再版をやめてしまったのか、
そこのところは、調べてないので、わからない。
忙しいので、そこまで親切にはしない。



しかし、この本の中は、
シャガールの絵のような短編小説ばかりなのだ。
物哀しくて、切なくて、
どこか、メルヘンチック(ただし、塩味)なのだ。
この本の最初の短編『最初の7年間』を読んで、
涙ぐまずにいられる人は、いないと思う。



つらいとき、さびしいとき、人恋しくなったとき、
この短編小説を、どうぞとすすめたい。
仕事モードで、一日中カリカリしているわたしだが、
読み返して、やはり涙が出てきた。
登場人物は、靴屋の主人と19歳の娘。
大学生、そして、靴屋で働く30半ばの助手。
中味18ページほどの、
愛について書かれた泣けるお話。



最近、この手の小説が消えてしまったようだが、
復活してもらいたいと思う。


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共通テーマ:恋愛・結婚

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いいお話の本ですね~
もっと感動する本があるのでは?と思うと、
どっぷり浸れない><
明日死ぬ!と分かったら、思いっきり泣きたい。(笑)
これって、中途半端に読んでるって事なのかな!?
by (2007-06-20 15:33) 

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