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笑える、笑えない、が笑う。 [人生]

空と雲.jpg

昨年、食事中に歯茎がグキッときた。
虫歯の痛みとは違うが、鈍痛のような、いや~な痛みと感触があって、
それ以後、グキッとなった右側でものが食べられなくなった。


12月28日、世界で一番苦手な歯科医院に行ってきた。
この日が、この年最終診察日である。


レントゲンで一応ざっと調べてもらったら、
どこも悪いところがなかった。
歯肉炎になりかけていただけ。


もともと、肉体労働が限界を超えると歯茎が腫れる。
11月からのプチリフォームで、
大きな家具を移動したり、粗大ゴミを大量に処分したり、
何十年ぶりかの大掃除で体力を使い果たし、
さらに、田舎の頑固婆さんのベッドを新品にかえ、
またまた大掃除。
田舎への往復でもかなり疲れた。


いつものことで、こういうときは寝るしかない。
どんなに痛くても、病院や薬に頼らず、
あまり歯茎を使わないようにして、
さらに身体を休めることで切り抜けてきた。


しかし、休みが足りなかったのか、
寒いというので、食べ続けていたのもよくなかった。
体重、堂々の1キロ増である。
グキッと来るのも当然だったのだ。


歯科医院では、薬が出るわけでもなく、
薬を塗るわけでもなく、歯垢をとるだけで、
歯茎は元に戻った。


今日、午前中に歯科医院にでかけ、
歯垢をとってもらった。


昨日、友人とメールのやりとりで、
高齢の母親に時間をとられるようになって、
仕事が遅れがちになり、ブログに割く時間がない
などと愚痴をこぼして、元気が出た。


愚痴は、ある程度たまったら、
吐き出した方がよさそうだ。
ブログを更新する気持ちになった。


持つべきものは友である。



お正月にでかけた田舎では、
頑固婆さんのボケぶりに、笑ってばかりいた。


まず、家に着いたとたん、
「見て、見て」と障子の前に立たされた。
「お正月なんで、破れたところをちゃんと補修して、
ほら、きれいになったでしょ」と頑固婆さん。


ところが、左隅の一番上の所に大きな破れ目がある。
たぶん、見落としたのだろうが、頑固婆さん、
「あっ、あんなところにもう、破れ目をつくってえ・・・」
と怖い顔でわたしを睨みつける。


鴨居にハンガーをかけて、そこにコートをかけるので、
障子を開け閉めするたびに、ハンガーが傾いて、
障子が破れるということが、時々ある。


しかし、わたしはまだ、コートを脱いでいないのだ。
「ええっ、わたしじゃないよ」
と声をあげたが、
「またまた、そうやって、ほんとに・・・・・」
と顔をしかめてそむける。


着いた途端にこれだよ、
と連れ合いと笑い出してしまった。


ますます耳が遠くなった婆さんとの会話は疲れる。
暮れから1月3日まで滞在した弟や義妹とは
結局筆談になってしまったそうだ。
耳は遠くなったが、婆さんは元気である。
メガネをかけたままメガネを探す、
などという定番の笑いが何度もあった。


そんな中に、笑えないことが起こった。
お風呂は、自分が入りたいときに勝手に火をつけるから、
といっているのに、頑固婆さんは自分がおもてなしを
するのだという姿勢をかたくなに崩さない。


食事がすんでテレビを見てくつろいでいたときに、
すっと立ってお風呂場に行った。
直ぐに、かんかんに腹を立てて戻ってきた。
「あんたたちが勝手なことをして風呂釜の調子がおかしくなった」
というのだ。


だって、わたしと連れ合いは、テレビの前にいるんだよ。


「お昼になにかやったんじゃないの」
なにかって、どうするのさ。
「なにもやってないって」


いくら説明しても、かんかんに怒っていて手がつけられない。
「よけいなことをやって、何でも壊す」
と話が脚色されて大きくなる。
これも頑固婆さんの得意技なんだけれど、
何でも壊すって、なにも壊してないって・・・・・・。


頑固婆さんが不調を直して、
風呂釜は普通に火がついたという。
なのに、怒りがおさまらない。
もう、なにがなんだかわからない。
どうしてわたしの話をきかないのか、
とわたしもかんかんに怒った。


いつもの、母娘の大げんかである。


ふたりの間を鎮めたのは第三者である連れ合い。
穏やかに、頑固婆さんの言い分を全面的に受け入れ、
その場はそれで収まった。


翌日、頑固婆さんが、1万円札を2枚、わたしにつきだし、
「○○さんに渡して」という。
○○さんとは、連れ合いのこと。
ひと晩寝て、自分の勘違いだったことに気づいたのだ。
それを、○○さんがなんでも壊すと濡れ衣を着せたことを反省して、
謝罪の意味の2万円札なのだ。


頑固婆さんは、謝ることが嫌いなのだ。
自分の非は絶対に認めない。


悪かった、ですむものを、
お金で解決するようで気色悪いのに、
自分の気持ちを鎮めることに必死で、
相手の心理に対する配慮がない。
そんなものは受け取れないという連れ合いと言い合いになり、
こんどはわたしが、1枚もらうことでその場を収めた。


あとで考えると笑える話だが、笑えない。
しかし、笑い飛ばすことにした。


わたしとの間では、こういうことはしょっちゅうあったが、
連れ合いを巻き込んでのことは初めてである。


これが、他人に対してだったら、大変だよねえ、
とわたしはため息をつく。
どっちも深く傷つくだろうし・・・・・・。


そんなこんなで、2~3日は妙に連れ合いが優しくなった。


東京に戻って、
再び、同居したらどうなのコールがはじまった。
相変わらず頑固婆さんは、
「わたしはちっともボケけてないから、大丈夫」


で、わたしは作戦を変えて、
「そうじゃなくて、わたしがボケる前に同居したら、
といってるの」


まあ、そういうわけで、1月も13日となり、
連れ合いの妙な優しさも影を潜め、元の日常に。




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コメント 4

やっぴー

2人きりだったら、笑い飛ばせないでしょうね。
by やっぴー (2011-01-13 17:02) 

月夜

お疲れ様です。
うちの祖母がアルツハイマーだったので
その苦労など多少わかります。
by 月夜 (2011-01-13 17:11) 

noel

うちも母を抱えています。
ほんと些細なことですが、意固地になってします。
いつもこちらが折れているけど、ムッとしたり疲労します。
私の場合はこれからですから、スーさんの笑えない笑い話を笑えないです。(笑)
長期戦です。体力勝負です。歯も体も万全においてください。
by noel (2011-01-15 09:44) 

しーちゃん

お隣のおばあさんがだいぶボケている様子で、息子さんが怒鳴っている声がよく聞こえてきます。認知症の人には怒るなと新聞とかにはありますけど、当事者にはそんな余裕はないんだろうなぁと。スーさんお疲れ様です。無理しても笑い話ですませてくださいね。
by しーちゃん (2011-01-23 21:43) 

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