11月には黄昏時が似合う。

11月には黄昏時が似合う。
だんぜん小春日和よりも、黄昏時だと思う。



空が暗くなる時間がどんどんはやくなっている。
妙に暖かい日でも、黄昏時はきっちりはやまっていて、
秋じゃないぞ、立冬もすぎたぞと、
空の奥の方から呼びかけられているみたいだ。



影も夜も、闇の暗さが夏とは違う。
夏の闇はきっぱりとした混じりけのない真っ黒だが、
11月の闇は赤紫やオレンジ色がまじったような、
じわっと重たい、ふかあ～い黒さだ。






夕焼けが消えても、空にはまだ明るさが残っているのに、
地面のほうから闇が立ちあがってくる。
雑草の中に咲いているカンナが、あたりに残っているわずかな光の粒を、
一粒一粒丹念に引き寄せたかのように、ぼうっと浮かんで見える。



11月を撮ったな、という気分である。
正味30分弱の黄昏散歩。

タグ：黄昏時

コメント 3

こんな素敵な夕焼けには
赤トンボの歌がピッタシのような気が・・・
by miopapa (2010-11-10 14:34) 

大昔に読んだので、甚だあいまいな記憶ですが
星新一氏の作品の一節で、11月の夕方5時を
「一年の中で最も美しい月の、一日の中で最も美しい時間」というようなものがあったのを思い出しました。
お写真も文章も惹きつけられました｡
by Sho (2010-11-10 21:13) 

今晩は。
黄昏時の変化は速いので写真も難しいですね。スポットは、予め「構えて」るマニア多々です。

by 夏炉冬扇 (2010-11-11 19:21)