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白い石黒い石 [子ども]

海外に行って、おちびちゃんたちにお土産を買ってきた。
まだ、ものを知らない子供だから、贅沢なものはいらない。
マグネットや絵葉書、小さなお人形、Tシャツといったものだ。

それがいまいち受けない。

意外なことに、歓声を上げたのは、連れ合いが拾ってきた石。

石ふたつ.jpg



「これは子どもたちへのお土産だから捨てるなよ」
といって、拾ってきた石をきれいに洗って乾燥させ、
白い石と黒い石を1セットにしてビニール袋にいれたのを、
連れ合いは、大事に大事に持って帰ったのだ。


それをおもむろに取り出して、
「さあ、とくべつなお土産だぞ」
といって、二人の子供の前に差し出した。


袋の中から、ふたつの石が転がり出ると、
ふたりは、いっせいに歓声をあげた。
ママも唖然とする喜びようだった。


男の子は、家で留守番している
(と言いつつ、子供のいない夏休みを満喫している)パパに、
「じいじから石をもらったよお」
とさっそく報告したのだった。


あれ、他にもお土産はいっぱいあったのに、
パパへの報告は石だけかい、
と、大人たちはあきれたのであった。


う~ん、子供の世界は摩訶不思議。


ところで、白い石はバハマの砂浜で拾ってきたもので、
わたしは、連れ合いが石を拾ったことを知らなかった。

海辺の砂浜で拾ったというから、
このそば、なんだろうね。
バハマ2.jpg

カリブ海のバハマなのだが、写真がへた。


バハマの印象は、ピンクに塗った建物が多いこと。

バハマ.jpg

こんな植物が熱帯地方らしくてわたしは気に入ったのだが、
なんだか中途半端な写真になってしまった。


黒い石は、北の寒い国。
アイスランドで拾ったものだ。
ここは火山国で至る所に温泉の湯気が立ち上っていた。

荒涼とした自然が素晴らしい。

アイスランド.jpg


石も溶岩、そのものである。

アイスランド2.jpg

連れ合いは、1時間くらいこの場所で、これでもない、あれでもない、
と気に入った石を探しまわり、
海外での貴重な時間を浪費したのだ。


わたしは、「そんなもの、誰が喜ぶもんですか」
と嫌味たらたらだったのだが、
6歳の男の子は、石をもらって、狂喜したのだった。


そういえば、今回我が家に遊びに来た時、
この男の子は、ポケットから黒いすべすべした石を取り出して、
「これは、ぼくの宝物の石だけど、
まえに、ばあばとじいじと散歩して川に行ったときに、
見つけたんだよ、憶えてる?」
といって、その時の詳しい状況と場所を説明してくれたのだが、
わたしは、全く思い出せなかった。


同じ時と場所を共有したのに、
わたしとこの男の子は、全然別の世界に立っていたようだ。


それで、わたしは妹の反応が気になって、
「あの子は、石なんか好きじゃなかったでしょ」
と、ママに話しかけたら、
わたしと同じく、石に何の興味もないママは、「そうなのよ」
と首を傾げたのだった。


すると、あとになって、
「あの子がね、わたしは石はちっとも欲しくなかったけど、
お兄ちゃんに合わせて、喜んだふりをしただけだって、
教えてくれた」と笑った。


大人の世界を興味津々で眺めている女の子は、
わたしとママの会話にちゃんと聞き耳を立てていたのだ。


同じ女同志だが、
女の子って、優しいんだか、いやらしいんだか、
よくわからないところがある。
少なくともこういう反応は、わたしもママもしなかった。


わたしが、男の子の石を借りて写真を撮っている間、
男の子はやけに嬉しそうだった。


黒い石と白い石、この二つの石、
いつまで彼の宝物であり続けるのだろう。






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コメント 3

かのん

男子にとっては宝石なんでしょうか?^^
by かのん (2009-08-15 19:18) 

atsushi

旅行したいです。
by atsushi (2009-08-17 18:01) 

misaboo

ご訪問ありがとうさまでした。
興味深い内容でした(^_^)
子供たち、不思議ですね。
この石の中に何があるんだろって
想像力がぐんぐん働いちゃったんでしょうね。
出来上がっているモノより、石の方に、不思議な世界を感じ取ったのかしら。
by misaboo (2009-08-18 10:53) 

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