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不倫の行方 2 [恋愛・結婚]


これは、相当に昔の話だ。
娘が2歳か3歳のころ、
以前に書いた、「シーチキンともやしのいためもの」
と同時期の話。
そういえば、あれも結果は不倫で、
駆け落ちしたという話だった。
いま、気がついた。
しかし、これは、それとはまったく別の話なのだ。



現在住む場所よりは、
もう少し、都心に近いアパートにいたころの話で、、
団塊世代のわれわれが若い、
わたしが、まだ20代だったときのことで、
周囲の人間もみな若かったから、
そういう生々しい話が多かった。


結婚してすぐ離婚した話や、
子供ができてすぐ離婚した話とか、
あのころは近所の人間の動向が激しかった。
そういえば、
コンクリートと車の排気ガス以外に、
あちこちで花が咲いている光景は皆無だった。


何処を見ても、自分と同じ若い世代が目について、
しかし、いつのまにかみな平等に年をとって、
花をめでる世代になったわけだ。



わたしたちが住んでいたアパートは、
もとは、ある有名な演歌歌手の持ち物で、
住んでいた時もそうだったのか、
もう記憶にないが、
管理人をしていた夫婦は、その歌手の親戚だった。
それが、自慢で何度も聞かされたのだ。
写真も見せられて。
もう、何十年も忘れていた。


それは、古い三階建てのアパートだったが、
その向かい側に、突然、二階建てのアパートが建って、
そこに、続々と入居してきたのが、
ほとんど団塊の世代。
若い夫婦ばかりだった。


みな、同じくらいの幼子をかかえていたので、
なんとなく、挨拶したり、声を交し合ったり、
あまり深入りしない付き合いが始まった。



このアパートに子供のいない一組の中年夫婦がいて、
といっても奥さんは、まだ30代後半で、
振り返ってみると、
あのころは、それが相当の年上に思えたのだ。
東京支店勤務で、大阪から越してきた人たちだが、
なぜか、この夫婦と親しくなった。


夜泣きする娘が泣き止まないので、
気分を変えさせようと、外に出て、
ベランダで、ぼうっとしていた奥さんと目が合い、
娘を抱かせて、といわれて、抱かせてあげてから、
互いに、連れ合いが留守勝ちという共通点があって、
付き合いが始まったのだ。


子供が死ぬほど欲しくてもできない、
悲しみと苦しみを、
奥さんから毎日のようにきかされた。
あらゆる治療のかいもなく、
最後は、兄弟の一人から養子をもらうことを決めた。



さまざまな手続きをすませ、いろいろな準備を整えて、
胸をときめかせて、出産のときを待った。
ところが、赤ん坊が生まれたとたんに、
母親が手放したくないと言い張って、
あっさり白紙に戻されてしまった。


みんなが赤ん坊の誕生で、めでたい、めでたいと
大喜びしているところで、泣くわけにもいかず、
そのときの悲しみと怒りがいかばかりだったか、
親戚がいる大阪を遠く離れた東京で、
他人だからこそ話せる話だったのだろう。
わたしも、心の中で泣きながら聞いたものだ。

書きながら想い出して、涙が出てきた。


2年くらいで、この夫婦は大阪本店に戻ったが、
いまも元気でいらっしゃるだろうか。

あのアパート時代には、いろいろなドラマがあった。

ごめん、引き延ばすつもりはなかったのだが、
夜半すぎに、パソコンに向かい合ってから、
書く内容を決めて書き出すものだから、
次から次へといろいろなことを想い出して、
肝心の話に行く前に、長くなってしまった。

次回、本題に入ります。


タグ:不倫
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hil

我慢して待ちます(笑)。
by hil (2006-09-26 20:51) 

m-t

そう、私の友達も欲しくて欲しくて・・・良いママになりそうな子なのに・・・
中々授からない子も・・・
相手と別れなきゃって最後に会ったのが・・・
私も子供は授からないんだと諦めてました。
気持ちが揺らいでる時に妊娠。
だから今の私が居ます。
頑張らなきゃね。
by m-t (2006-09-27 01:32) 

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