彼は [その他]
年賀状が売り出され、
昨日から年末ジャンボも売り出され、
うかうかしている間に、
いやちょっと、もう少し、急ぎたくないので、
などという個人的事情や言い訳もむなしく、
我々は、2012年へと押し出されるようだ。
母親の冬の衣服や、必要な品々をとりに、
先日、田舎の実家に行ってきた。
3月以来、実に8カ月ぶりに、故郷の海も見てきた。
3月のときは、母親を連れ出すことに気ぜわしくて、
家の被害を見る暇もなかったが、
改めて室内を調べると、天井は雨漏りしているし、
浴室のタイルの壁があちこちはがれて、
恐ろしげな亀裂がたくさん、走っている。
築40年以上経っている二階建て家屋。
修理を施しても、もう住む気にはなれない。
母親もとっくにあきらめていて、家の事は口にしない。
もともと家に愛着はなかったので、
何の感傷も浮かばなかったが、
津波の被害の跡が残る海に行ったりして、
あちこち車で回っていると、
ああ、ここがふるさとだという甘い感情がわいてくる。
実家から徒歩で3分とかからないところにある
ビジネスホテルに泊まった。
妙な気分だ。
その気持ちを表す言葉がみつからない。
天気が悪く、東京に戻ることには、土砂降りになったが、
どこか精神的に癒やされたような気分のよさで、
それは連れ合いも同じだったようで、
こんどまた、家とは関係なく、訪れることに決めた。
家がなくなったら、
わたしはふるさとで、観光客?
なのだろうか。
タイトルは「彼は」になっているが、
これは、本当は「枯葉」。
「かれは」と入力して変換キーを押すと「彼は」になってしまうのだ。
むっとしたのだが、半分面白かったので、
そのままにしておいた。
面白いと思うのは、たぶん、わたしだけだろう。
これも、彼は・・・・・・。
こんばんは。
田舎の家は壊さずにただ今は「古民家ぎゃらりぃ」にしてます。年に一回「兄弟寄り」します。ここだと遠慮がなくていいなぁ、といいます。
田舎は人情が篤いですから、人のつながりは消えませんね。
by 夏炉冬扇 (2011-11-26 19:06)