飛ぶ包丁：葉桜それから日記：SSブログ

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飛ぶ包丁　[謎] [編集]

このあたり（東京２３区内）のあちこちで、もう水仙が咲いている。

急いでいたわけではないのだが、
慣れた行動でもあったし、
後ろ向きかげんに左手で包丁を取り出したら、
手の中で包丁が暴れて、指をしたたかに打ち、
「あっ、痛っ」と思うまもなく、
わたしの手を離れた包丁は派手に宙を舞って、
５０センチくらい先の床に落ちた。

なにが起こったのか理解できず、
危なかった！という思いで、
しばらくぼうっと、床に落ちた包丁を眺めていた。

取り出すときに、角度がわずかにずれて、
おそらくどこかにぶつかったのだろう。
慣れた行動でも、次の行動に気を取られすぎていたか、
疲れなどでわずかな狂いが生じ、
それが、包丁が空を飛ぶ結果となったのだろう。

痛みが強い人差し指が切れたかと見てみると、
やけに痛いが、血がにじみ出てくる気配はない。
その人差し指をなでながら、
いつまでもぼうっとしていたので、
連れ合いがなにをやってる？ときいてきた。
そこで、手違いで包丁が飛んだ話をした。

「離れたところに落ちたからよかったけど、
自分の足の甲なんかに落ちて、ぐざっと刺さったりしたら、
救急車を呼ぶ騒ぎになっていたかもしれない」
というと、
「おい、おい、気をつけてくれよ」
といつになく、優しい言葉、と喜びかけたら、
「妻が怪我をしたり、殺されたりすれば、
まっさきに疑われるのは、夫なんだから。
ＤＶ（ドメスティックバイオレンス）と思われたら、
えらい迷惑だよ」

我が家で暴力をふるうとしたら、それはわたしなんだけど、
ちょっとむっとした。

翌日になったら、ふしぎなことに、
痛かった人差し指でなく、薬指の根元付近が、
紫色に腫れあがっていた。

握って撮りだした包丁が、
何かにぶつかって、握りから逃れ、
薬指の根元に激しくぶつかって、飛び上がったらしい。

あまりに痛いのとショックで、
どこが痛いのかわからなかったにしても、
なんなのだ、これは。

しかし、包丁などの危険物を扱うときは、
やはり、注意しなければ、と反省！