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終わらない悪夢で熟睡 [読書]

小さな子供は、怖い話が大好きだ。
娘は幼いとき、おじいさんの「のっぺらぼう」の話が
大好きだった。

おじいさんの勝手な創作が入ったその話は、
夜道で道に迷い、やってきた男や女に、
道を尋ねようと、もしもしと声をかけると、
はい、なんでしょうかと振り返ったその顔が、
目も鼻も口もない、のっぺらぼうだったという単純な話。

怖い、怖いとキャアキャアいいながら、
笑い、話し手に抱きつき、そして寝てしまう。


いまの子供たちも怖い話が好きだ。
絵本も怖い話の絵本がお気に入りで、
何度もリクエストをして、
もう、100回くらい読んでいて、
当然怖くないはずなのに、
お約束のようにキャアキャア怖がって、
ものすごく喜ぶ。
あれは、なんなんだろうね。
ほとんどゲームと化している。


という話をしていて、
いや、その傾向は大人になっても続いているのだ。
子供だけの話じゃないぞ、と気づいた。
わたしが好んで読む、サスペンスや推理小説、
事件物、ホラー小説などは、その延長にすぎないのでは?
確かに、そうだ。
幼児性が抜けないわたしは、いまだにそれらを
手放せないでいるのだ。


現在、読んでいるのも怖い話。
年々忙しくて、疲れがたまっている。
この連休もしばらくひとりになれて、つくづく、
ああ、疲れがたまっているなあ、休まねばと感じる。
休まないでいると、疲労していることに、
だんだん気づかなくなるのだ。


そういう疲れをほぐすために、
無意識に選んで読んでいるのが現在の本。
『終わらない悪夢』
ハーバート・ヴァン・サール編 金井美子訳 論創社

終わらない悪夢 (ダーク・ファンタジー・コレクション 8)








深夜、自分以外に誰もいない家で、
(連れ合いは地方にでかけている)
この本を読んでいると、本当に怖い。
短編集なので、人物名や人間関係を覚える必要がない。
推理小説でもないので、あれこれ推理する必要もない。
ただ、この世界に入り込めばいいだけだ。


しかし、何か落ち着かず、
お菓子を食べたり、お茶やコーヒーを飲んだり、
なんだか、トイレに行く回数も増えているようで、
なんとなく怖くて没頭できないのだ。
適度に距離を置いて、それで楽しんでいる。


ドロドロの死体や怪物のような人間、
死の恐怖がてんこ盛りのこんな本を、
疲労したり、気分が高揚していないとき読んだら、
落ち込むんじゃないか、と思うのだが、
ああ、怖い、怖いと思いつつ、
深夜、寝床で目が開けていられなくなるまで読み、
そのあと熟睡。
怖い夢も見ずにすっきりお目覚め。


それなりの効果があるようなのだ。
個人差があると思うので、
熟睡のお薬としておすすめはしない。


今日は台風一過のような空が広がって、
わたしはカメラを向けずにはいられない。


午後2時54分に撮影した北の空
9月23日北の空.jpg

同じく、陽光がまぶしい南の空
9月23日南の空.jpg



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Lorca

自分は時間を潰す時には大抵怖い本を読みます。
出張で3時間くらい電車に乗っていても・・・
怖い本さえあれば、あっという間なんだよね(笑)。
by Lorca (2008-09-25 23:25) 

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