秘密：葉桜それから日記：SSブログ

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秘密　[子ども] [編集]

垣根や歩道の植え込みによく見かける花。名前がわからない。
これは、雪柳でした。

久しぶりに孫から電話がかかってきた。
めずらしく５歳のお兄ちゃんのほうだ。
いつもは、３歳の女の子がかけてくる。
妹がどんどんおしゃべりになると、
お兄ちゃんのほうは、あまりしゃべらくなった。
でも聞き耳は立てていて、横からいきなり訂正したり、
妹の話を補足したりする。

先日、親子で遊びに来たとき、
娘の手が主婦シッシンになりかけていた。
わたしも、娘が赤ちゃんだったとき、
水を使うことが多いのと過労とで、
手を荒れたままにしていたら、主婦シッシンになり、
皮膚科に駆け込んだ経験がある。

前々から、皮膚科で薬をもらって手当てしなさい、
と助言しているのに、
この程度で皮膚科に行くのも面倒だから、
といってきかず、ますます手が荒れてきた。
「体調が悪くなったりすると、あっというまにひどくなるから、
そうならないうちに行ったほうがいいのよ」
と懲りずに忠告すると、
またしても「これくらい平気だよ」というので、
３歳の反抗時から本当に親の言うことをきかない子だと
腹が立って、
「バカだねえ、ひどくなってからでは遅いの！」
と言い放つと、
それまでミニカーで遊んでいたお兄ちゃんが、
つと立ってわたしのそばに来ると、横腹をとんとん叩いて、
「あのねえ、ばあばねえ、バカといったらいけないんだよ。
バカといったひとがバカなんだからね」
真剣な顔でいうではないか。

大好きなママをバカといったので、怒っているのだ。

胸がキュンとなってしまった。
こういうときの子供は泣きたいほどかわいい。

久しぶりに電話をかけてよこしたお兄ちゃん、
「きょう、歯医者さんに行って虫歯をなおしてきたよ」
ああ、お菓子ばっかり与えてとうとう虫歯か、
と子供に甘い娘に腹が立つ。
「痛くて泣いたの」、
「痛くなかったし、泣かなかった」
「それは、えらい。すっかりお兄ちゃんになったね」
「うん」
「バレンタインデーにチョコレート二つももらったんだって」

かなり前のことだが、娘のブログを見ると、
“幼稚園から帰って、お兄ちゃんのカバンをあけたら、
チョコレートが二つ入っていて親子でびっくり。
息子よりも自分の方が嬉しかったかも、
お返しを何にしようかと今からドキドキしている“
とあった。

お兄ちゃんは、ちょっと戸惑った様子で、
「うん、もらったよ」
「へえ、すごいねえ。誰と誰からもらったの？
ばあばにおしえて」
「教えない」
「あら、どうして」
「それは秘密だから」

５歳で秘密を持つなんて生意気じゃない？
でも、よく考えたら、それが正しい。
あちこちでもらったことをいいふらしたり、
相手の名前を教えたりしてはいけない。

あとでママに詳細をきかせてもらおう。
もちろん、内緒でね。