副作用 5 [普通が奇跡]
入院していたこともあって、
ブログの更新が長い間途絶えていたのを、
不審に思って手紙をくれたT子は、
新婚旅行中に夫と喧嘩、
われわれ夫婦が結婚式に出席して家に戻ると、
いきなりT子が一人で訪ねてきて、
「離婚したい」といいだし、大騒ぎになった。
彼女ら夫婦の問題について
それまで何も聞かされてなかったわたしは、
おろおろはらはら。
家族が心配しているに違いないと、
都内で医者をしていた彼女の叔母さんに連絡を取った。
普通、あれだけ仲が良かったら、
あんな男嫌いだとか、結婚したくないとか、
打ち明けていたはずと思うのが普通で、
叔母さんがわたしを悪巧みの仲間と思い込んだのも
仕方がなかったと思うが、
わたしはいわゆるガールズトークをしたことがなかった。
薬指が長くて、かなり男性的な性格なのだ。
(井戸端会議もかったるくてだめ)
そんなこんなで
迎えに来た叔母さんの、
<あんたたちがこんな非常識なことをさせたんでしょ>
といわんばかりの態度に、
わたしのほうも、ムカッと来た。
この事件後、
子供ができたということもあって、
T子との間に距離ができたのだ。
お互いにもう年だから、
元気なうちに新宿あたりで会おう
と話し合っていたが、
彼女は仕事をしているし、
早稲田大学の社会人向けの講座を受けるんだと
張り切っていたりして、
なかなか会えないでいるうちに、
「癌が再発した」というメールが来た。
こっちは骨董壊死症で杖なしでは歩けなくなり、
とても新宿の雑踏をさっそうと歩く勇気はなく、
連れ合いが暇なときに車で彼女の家まで
送って行ってもらしかないと
あたふたしているうちに、
2~3か月はあっという間に去り、
今度は、「近くのホスピスに入ることにした」
というメールが来た。
延々と入院生活のことを書いてきたが、
本当に描きたかったのは、
T子のことなのだ。
すぐにお見舞いにでかけた。
人騒がせの人ですね。
by 緑 (2019-09-10 08:00)
あぁ、人生波乱万丈でやすね。
お見舞いに行っていっぱいお話しされてくださいでやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2019-09-20 20:45)