SSブログ

副作用 4 [普通が奇跡]

CIMG6208のコピー.jpg


薬の副作用とわかっていても、
退院後、まだ、薬は飲んでいた。


徐々にその量を減らしていって、
股関節にヒビが入って松葉杖をついていたこの年の暮れ、
12月の29日からは、
ステロイド薬の0.5錠、
小さな小さな錠剤のその半分を、
毎日ではなく、一日おきに飲むことになった。
そのほかの薬の種類も量もどんどん減っていった。


ステロイド剤を飲まなくてもよくなったのは、
翌年の10月の末である。
それ以来、一度もステロイド薬を飲んでいない。

CIMG6228のコピー.jpg


その間もその後も定期的に整形外科で
股関節の診察を受けていたが、
痛みがひどくなることはなかった。


徐々に少しずつ悪くなっていったので、
痛みにも慣れていたのかもしれない。


ネフローゼ症候群で入院生活を送った翌年、
ここ数十年、年賀状をやり取りしているだけで、
少し疎遠になっていた友人から手紙が届いた。


同じ都内に住んでいて、
メールや電話のやり取りもしていたのに、
なんの手紙だろうと思ったら、
わたしの安否を問う手紙だった。


「葉桜日記が延々と更新されないので、
もしかしたら海外に行ってるのかな、
それともなにかあったのか、
ちょっと心配してます。」


すぐに電話をするとつながって、
それからメールと電話のやり取りが復活した。


わたしもよくあることだが、
パソコンを買い替えて、
前のデータが消えてしまったらしい。


病気のことを伝えると、
同じ時期に彼女も癌を発病して
手術を受け、いまは寛解状態だという。


彼女からの情報で、
もう一人の古くからの友人も、
同じ時期に癌にかかり、
彼女も寛解状態で元気だという。


そういう年齢になったのねえ
という話になった。


このころ、本や書類を整理していたら、
連れ合いと結婚したばかりのころの、
レシートを張り付けて合計額を記入しただけの
家計簿ノートが出てきて、
その日のメモに、やたらとこの二人の名前が出てくる。


何と、われわれ新婚のアパートに、
この二人はほぼ入り浸り状態だったのだ。
連れ合いが仕事で家を留守にすれば泊っていく。
ほかに、弟も一日おきくらいにやってきている。
ああ、このころはまだまだ青春時代の延長にいたんだなあ、
と、昔のことをいろいろ思い出した。


当時、なんでそんなにやってくるのか
ときいたら、
連れ合いに選んだ男がどんな男か心配で、
様子を見に来ているのだとほざいていたふたり。


気の置けない関係というか、
まあ、そんなに親しかったわけだが、
彼女らも結婚し、子供が出来て、
仕事もあるしで、次第に距離ができ始め、
いつの間にか、年賀状だけの関係になっていたのだ。


nice!(18)  コメント(3) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 18

コメント 3

緑

今では懐かしい思い出ですね。
by 緑 (2019-09-02 08:51) 

緑

花の名前はチェリーセージと
ブーゲンビリアでしょう。
by 緑 (2019-09-03 12:11) 

緑

花の名前は
チェリーセージとブーゲンビリアです。
by 緑 (2019-09-03 12:22) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。