梅盛り

ご近所散歩をすれば梅の花が目につく。
白い梅の花もピンクの梅の花もいまが盛り
梅盛りだなあ、とつぶやきながら写真を撮ってきた。


寒いからいやだ、かぜをひくといって
頑固ばあさんは、１２月から散歩に出ていない。


あの痛い痛い騒ぎはなんだったのか、
というほど最近はご機嫌で、
一時はちょっとでも身動きするたびに「痛い、痛い」
を連発していたのが、このごろはたまに、
「どっこいしょ」というだけで、
顔を見合わせれば、にこにこしている。


平穏である。
ああ、もうそれだけでありがたい。





自身も高齢者になって、わかってきたことがある。
なんでもないことが、しあわせ　なんだってこと。


連れ合いの母親が私たちが会いに行くたびに、
「今が一番、しあわせ！」
と口癖のようにいっていた。


その帰り道によく連れ合いと、
「あれは、お義母さんが私たちに感謝の気持ちを
ああいう言い方で伝えているのよね」
「うん、だと思うよ」
という会話を交わしたものだが、
それは二人ともお義母さんが、しあわせでないと思っていたからだ。





ところが最近になって、
「あれは、本当に素直にお義母さんの気持ちだったのね」
「そうなんだよ」
「あ、やっぱりそう思ってたの」
「うん、最近になってわかってきた」
「わたしもなのよ」


喧嘩ばかりしている夫婦だが、
この点で一致したことが奇跡のようだ。


そして、ふたりともお義母さんがしあわせだった
とわかって、しみじみ嬉しいのだ。


そういうことが、年を重ねてきて、
自然にわかってきたのだ。





この続きは、またあとで。

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